
員グループ、インター・アメリカン国会議員グループ(IAPG)、ヨーロッパの国会議員グループなどと共に、積極的に進んでいきたいと思います。 今日は、世界食料サミットに向けての人口と食料安全保障に関する国会議員活動をまずここから始めたいと思います。 本日、このセッションのために、3名の著名な人口と食料・農業問題に関する専門家の方をリソースパーソンとしてお呼びしております。先ず最初に、チャッダーさんをご紹介いたします。インドの農業省局長です。インドの農業政策の背景をお話しいただきたいと思います。次に、川野先生。皆様もうご存じの通り、農業の分野で幅広くご活躍をされてきました。最後に、黒田先生です。ご紹介申し上げるまでもないと思います。人口の側面から見た食料問題についてお話頂きます。 では、黒田先生お願いいたします。 黒田俊夫:リソースパーソン(日本) 人口と食料が人類にとっての生存にかかわるような問題になってまいりました。私は最初に食料問題を人口との関連で、マクロ的な点から簡単に問題の焦点を考えてみたい。今から200年前にイギリスの有名な経済学者ロバート・マルサスが、食料問題と人口について、非常に悲観的な論文、『人口の原理』という書物を出しました。 その内容は「人口が幾何級数的に増えるのに対して、食料は算術級数的にしか増えない。したがって、人口はやがて過剰になり、非常に悲惨な運命に直面する。飢餓、災害などによって、死亡率が非常に高くなり、人口が減少する。そして人口が十分に減ると、また、人口が増え始める。食料もだんだん回復してくる。これを繰り返す。人間というのは大変悲惨な宿命をもっている」と述べています。 しかし、それから200年、どういうことが起きたでしょうか。地球上では、マルサス以降、産業革命などの技術革新などによって食料生産は急速に増えてきました。特に第二次大戦後、人口増加が爆発的に起こったのですが食料生産の方が上回りました。緑の革命などが、アジアの食料供給に対して大変に大きな役割を果たしたのです。ごく最近まで、ことに戦後1950年から1990年までの約40年間、驚いたことには、食料生産は年率3%ずつ増加し、人類の歴史上かつてない速度で増加した人口増加率をも上回る食料増産が行われたのです。 地球上で何が問題になったかというと、食料が過剰になる、という問題が出てきたのです。今から考えると驚くべき事実ですが……。 この食料増産に対して、人口は、第二次大戦後、1960年代は2%という大変な増加率でした。しかし、食料生産が年率3%ですから、それよりは低かったわけです。その後、人口増加率はだんだん下がり、現在、約1.6%ぐらいです。 このように人口増加を食料生産が上回った結果、食料と人口を地球規模で見れば、
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